ExcelでのDurbin検定、Skillings-Mack 検定チュートリアル
Durbin検定、Skillings-Mack 検定の原理
Friedman 検定は完備ブロック計画を必要とするため、Durbin 検定は、調査が釣合い型不完備ブロック計画を用いて構築された場合のFriedman 検定の代替です。
ブロック計画の復習
ブロック計画は、1つまたは複数の現象での2つの要因の影響度を調査する場合の計画です。1つの要因がコントロールできない影響を持っていることを知っているけれども、それは関心事ではありません。そして、我々は、この要因が、収集されたデータで実行する分析を乱さないことを確実にしたいのです。この目的のため、他の要因のさまざまな水準が、各ブロックをよく表現していることを確認します。
ブロッキング要因は製品を評価する審査員であり、そして、興味のある要因は調査されている製品となります。
完備ブロック計画は、興味の要因のすべての水準が各ブロック内に1回提示される計画です。官能計画では、これは、すべての製品が各審査員によって1回見られる計画に対応します。
不完備ブロック計画では、興味の要因のすべての水準が、ブロッキング要因のすべての水準で提示されるわけではありません。興味の要因の各水準が、計画内で同じ回数 r だけ提示され、各要因の各対が同じ回数 λ だけ提示されるなら、その計画はバランスしています。
t が処理の数、b がブロック数、k が各ブロック内で測定される処理の数であるとして、釣合い型不完備ブロック計画を得るには、下記の条件が必要(ただし十分でない)であることを示します:
- b*k=t*r
- r*(k-1)= λ*(t-1)
釣合い型不完備計画(BIBD)でのDurbin 検定の使用
5 つの製品を評価するために調査を実施する必要があります。10 人の専門家が製品を評価するように依頼されました。しかしながら、我々は、このような評価では、3つかそれ以下の製品だけなら専門家が信頼性の高い評価ができることを知っています。したがって、我々は不完備ブロック計画を実施することを強制されます。ただし、このケースでは釣合い型不完備ブロック計画が存在します。それは、各製品が 6 人の消費者に見られるようなものです。
注意: XLSTAT-MX のDOE機能は、各専門家が製品を見る順序を最適化する選択肢もあって、順序の効果がないような実験計画を作成するのに使用できます。
調査の結果が、以下の表に示されます:

ここで、我々は製品 P1 から P5 が同等とみなされるか否かを知りたいのです。欠損値のためにFriedman 検定がそのようなケースを取り扱えない場合、ここで我々は釣合い型不完備計画を用いるので、Durbin 検定が利用です。それにもかかわらず、計画がバランスしていなくても、XLSTATは適応して、検定にSkillings-Mack 統計量を使用します。
Friedman 検定と同様、検定で使用される帰無仮説と対立仮説は:
- H0 : t 個の処理が有意に異ならない。
- Ha : 少なくとも処理の1個が他と異なる。
Durbin 検定のためのデータセット
データと結果のExcel シートは、こちらをクリックしてダウンロードできます。
Durbin 検定のセットアップ
XLSTAT-Pro を起動して、XLSTAT / ノンパラメトリック検定 / Durbin検定、Skillings-Mack 検定 コマンドを選択するか、ノンパラメトリック検定メニューの対応するボタンをクリックしてください(下図)。

ボタンをクリックすると、ダイアログ・ボックスが現れます。そして、Excel シートのデータを選択できます。

オプションタブでは、ほとんどソフトウェアがするのと同様に、漸近 p-値を計算することを選びます。

OK ボタンをクリックすると、新しいExcel シートに結果が表示されます(出力にシートオプションが選択されたため)。
Durbin 検定の結果の解釈
XLSTATは、p-値のよりよい推定を得るためにモンテ・カルロ・シミュレーションを使用することもできます。この場合、正確なp-値 (0.022) は、(H0の懸念に関して)控えめ過ぎるDurbinの近似と悲観的過ぎるConoverの近似の中間です。しかしながら、我々の事例では、以下に示すように、両近似で、我々は帰無仮説H0を棄却します。

帰無仮説 H0 が棄却されたので、したがって、少なくとも1つの処理が他と異なります。どの処理がH0を棄却する原因であるかを識別するために、多重比較手順を使用できます。XLSTAT は、Conover (1999)によって提案された手順を Durbin 検定のために使用できます。

したがって、我々は、ここで、P4 と P1 が P2 と P3よりも低く評価されることがわかります。. これらの差 (P4 <P3/P2) および (P3> P4/P1) が、H0の棄却の原因です。
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