Excel内で非線形回帰を用いる競合阻害
このチュートリアルは、非線形回帰 を用いて競合阻害のパラメータを設定して解釈する方法を説明します。
非線形回帰は線形モデルで取り扱えない複雑な現象をモデルするのに使用され、さまざまな種類の阻害(競合、非競合、不競合、混合)がそれにあてはまります。
このチュートリアルでは、競合阻害のパラメータを評価して解釈するのに必要なステップを詳細に説明します。手法をテストするためのデータ・ファイルを上のリンクから提供しています。データは架空のもので、このチュートリアルのために作成されました。
このチュートリアルの目的
問題の手短かな説明から始めましょう。酵素とは、化学反応に必要なエネルギー量を減らすために、反応内で試薬と組み合わせるタンパク質です。一部の薬剤のように、基質が酵素に結合するのを防ぎ、酵素がそれを生成物に変換するのを防ぐ必要がある場合があります。これが競合阻害の役割です。この役割と一致する式は、下記のようになります:
ここで、v は酵素の速度で、Vmax は最大速度、Sは基質濃度、 KmはMichaelis(ミカエリス)定数、 Ki は阻害剤の定数、そそして I は各曲線に従属する阻害剤濃度です。
このチュートリアルでは、我々は、すべての曲線でパラメータ Vmax、Km、 Kiの最良推定値を決定しようとします。 これらのパラメータはすべての曲線で共通で、我々が全体の適合を直接使用する理由はそれです。我々の目的は、酵素の基質濃度とその最大速度との間の関係性を研究することです。
結果は、複数のシートに分かれています:
- Data: このシートは選択された変数を格納します。
- Nonlinear Regression: このシートは非s念系回帰の結果を格納します。
競合阻害のパラメータを推定する非線形回帰のセットアップ
XLSTATを開いて、XLSTAT / モデリング / 非線形回帰を選択してください。
ボタンをクリックすると、ダイアログ・ボックスがポップアップします。そして、すべての曲線であるY列に対応する従属変数を入れます。そして説明変数を入れます。この事例では基質濃度(substrate concentration)です。
関数タブで、競合阻害 (enzymatic kinetics / competitive inhibition)の式を選び、阻害剤のさまざまな濃度を各曲線に対して1つの濃度を入れます。
もしお望みであれば、初期値、限界およびパラメータのラベルを追加できます。そして、 OK ボタンをクリックすると、計算が実行され結果が表示されます。
競合阻害モデルの結果の解釈
変数の記述統計、および適合度係数が続き、3番目の表はモデルのパラメータの詳細を提供します。パラメータはすべての曲線で同じなので(阻害剤濃度だけが変化する)、我々は最初の表だけを表示します。
これらの値は、モデルのパラメータを最も良く推定するそれです。そして、我々は、基質の関数としての曲線測度のグラフで、推定されたパラメータでデータのとても良い適合が得られることがわかります。

これらの4つの曲線は、それぞれが従属列の1つを表し、阻害剤の濃度が高くなるにつれて低くなります。
最後に、競合阻害の事例で、非線形回帰により、複数の阻害剤濃度の存在下で基質濃度の関数として速度曲線を測定することができることがわかりました。さらにXLSTATは、非競合、不競合、混合阻害でもこれを行うことを提案します。
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