どの統計的検定を選ぶべきか?
状況に応じて適切な検定を選ぶためのガイド
質問の内容と利用できるデータによって、適切な統計的検定の選択をガイドするグリッドを作成しました。このガイドは、 帰無仮説 の形成と各状況での事例を提案します。パラメトリック検定の有効性の条件が、下記のグリッドのパラグラフに一覧されます。利用可能な場合は、相当するノンパラメトリック検定が提案されます。状況によっては、パラメトリック検定がなくて、ノンパラメトリックの解決法だけが提案されます。
統計的検定に関するより詳細は、こちらのチュートリアルを読んでください。
パラメトリック検定とノンパラメトリック検定の違いに関する簡単な説明は、こちらのチュートリアルを読んでください。
グリッド
表示される検定は、統計で最もよく使用される検定です。それらはXLSTATで利用可能です。このリストは網羅的ではなく、これ以外にたくさんの状況/検定が存在することに注意してください。
| 検定ファミリ | 問題 | データ | 帰無仮説 | 事例 | パラメトリック検定 | 有効性の条件(パラメトリック検定) | ノンパラメトリック検定 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| ロケーション*を比較 | 観察平均と理論平均を比較 | 1標本での測定値と 1個の理論平均 (1つの数) | 観察平均 = 理論平均 | 観察された汚染率と標準を比較 | 1標本のt検定 | 2 | |
| 2個の観察ロケーション*を比較 (独立標本) | 2標本での測定値 | ロケーション* が等しい | 2個の患者グループの間でホモグロビン濃度を比較 | 2個の独立標本でのt検定 | 1 ; 2 ; 3 ; 5 | Mann-Whitneyの検定 | |
| 2標本間の同等性を検定 | 2標本での測定値 | ロケーション* が異なる | マウス内の分子の濃度において、薬物 A の効果が薬物 B の効果と等しいかどうかを確認 | 同等性検定 (TOST) | 1 ; 2 ; 3 ; 5 | ||
| 複数の観察ロケーション*を比較 (独立標本) | 複数の標本での測定値 | ロケーション*が等しい | 4種類の肥料によるトウモロコシの収穫の比較 | ANOVA | 1 ; 3 ; 4 ; 6 | Kruskal-Wallis検定; Moodの検定 | |
| 2個の観察ロケーション*を比較 (従属測定値) | 同じユニットでの2系列の量的測定値(before-after…) | ロケーション*が等しい | 患者のグループに治療が適用された前と後のヘモグロビンの平均濃度の比較 | 対応のある2標本でのt検定 | 10 | Wilcoxonの検定 | |
| 複数の観察ロケーション*を比較 (従属測定値) | 同じユニットでの複数の系列の量的測定値 | ロケーション*が等しい | 植物のグループでの微量元素の濃度の時間経過での追跡 | 反復測定 ANOVA, 混合モデル | 10 ; Sphericity | 完全ブロック計画のFriedmanの検定; 不完全ブロック計画のDurbin, Skillings-Mackの検定; 系列スコアが(たとえば時間で)増大または減少することが期待される場合のPage検定 | |
| バイナリ・データの系列を比較 | バイナリ・データの系列を比較(従属測定値) | 同じユニットでのバイナリ測定値の複数の系列 | ロケーション*が等しい | 審査員(ユニット)のグループが製品のグループで特性の有/無を評価する | McNemarの検定 (2系列); Cochranの Q 検定 (2系列よりも多い) | ||
| 分散を比較 | 2 分散を比較(仮定 3を検定するのに使用可) | 2標本の測定値 | 分散(1) = 分散(2) | あるフルーツの 2品種でのサイズの自然分散の比較 | Fisherの検定 | ||
| 複数の分散を比較 (仮定 3を検定するのに使用可) | 複数の標本での測定値 | 分散(1) = 分散(2) = 分散(n) | あるフルーツの 複数の品種でのサイズの自然分散の比較 | Leveneの検定 | |||
| 比率を比較 | 観察比率と理論比率を比較 | 1個の観察比率とその関連する標本サイズ、1個の理論比率 | 観察比率 = 理論比率 | 標本内の女性の比率と比率0.5の比較 | 1比率の検定 (カイ2乗) | ||
| 観察比率を相互に比較 | 各カテゴリに関する標本サイズ | 比率(1) = 比率(2) = 比率(n) | ある標本でのさまざまな瞳の色の比率の比較 | カイ2乗 | |||
| 観察比率と理論比率を比較 | 各カテゴリに関する標本サイズと理論比率 | 観察比率 = 理論比率 | 観察された F1xF1 交雑育種の度数とメンデルの理論による度数の比率を比較(1/2, 1/4, 1/2) | 多項適合度検定 | |||
| 関連性の検定 | 2個の質的変数の間の関連性を検定 | 分割表(クロス表)または2個の質的変数 | 分散 1 と分散 2 は独立である | ある微量元素の存在は、もう1つの微量元素の存在に関係があるか? | 分割表でのカイ2乗 | 1 ; 9 | Fisher正確検定 ; モンテカルロ法 |
| 複数の層間で2個の質的変数の間の関連性を検定 | 複数の分割表または層識別子つきの2つの質的変数 | 分散 1 と分散 2 は独立である | ある微量元素の存在は、もう1つの微量元素の存在に関係があるか? 複数のサイト(層)で評価 | Cochran-Mantel-Haenszel (CMH) 検定 | |||
| 2個の量的変数の間の関連性を検定 | 同じ標本での2個の量的変数の測定値 | 分散 1 と分散 2 は独立である | 植物バイオマスは、土壌の鉛含有量を変化させるか? | Pearsonの相関検定 | 7 ; 8 | Spearmanの相関検定 | |
| 1個のバイナリ変数と1個の量的変数の間の関連性を検定 | 1個のバイナリ変数と1個の量的変数での測定値 | 2つの変数は独立である | ラットの中の分子の濃度はラットの性別(M/F)に関連するか? | 双列相関 | 量的変数の正規性 | ||
| 集団の系列と順序変数の間の関連性を検定 | 分割表または比率と標本サイズ | 比率は順序変数によって変化しない | 過去10年で出生率は年々変化したか? | Cochran-Armitage傾向検定 | |||
| 2個の量的変数の表の間の関連性を検定 | 量的変数の2個の表 | 表は独立である | 属性の系列に関する製品の系列の評価はパネルの間で変化するか? | RV 係数の検定 | |||
| 2個の近接行列の間の関連性を検定 | 2個の近接行列 | 近接行列は独立である | 豆の集団間の地理的距離は遺伝的距離に相関するか? | Mantelの検定 | |||
| 時系列の検定 | 時間での傾向(トレンド)の存在を検定 | 日付でソートされたデータの1個の系列 (時系列) | 測定変数について、時間での傾向は存在しない | 株価は過去10年で変化したか? | Mann-Kendall傾向検定 | ||
| 分布に関する検定 | 観察分布と理論分布の比較 | 1標本での量的変数の測定値; 理論分布のパラメータ | 観察分布と理論分布が等しい | ある会社の給料は、平均 2500 および標準偏差150の正規分布に従うか | Kolmogorov-Smirnovの検定 | ||
| 2個の観察分布の比較 | 2標本での量的変数の測定値 | 2個の標本は同じ分布に従う | 2つの地域で人間の体重の分布は同じであるか? | Kolmogorov-Smirnovの検定 | |||
| 測定値の系列の正規性の検定(仮定 2, 4, 7を検定するのに使用可) | 1標本での測定値 | 標本は正規分布に従う | 観察された標本の分布は、正規分布から有意に異なるか? | 正規性検定 | |||
| 外れ値の検定 | 外れ値の検定 | 1標本での測定値 | 標本は外れ値を含まない(正規分布に従う) | このデータ・ポイントは外れ値であるか? | Dixonの検定 / Grubbs 検定 | 箱ひげ図 (統計的検定ではない) |
*ロケーションとはパラメトリック検定では平均であり、ノンパラメトリック検定では平均ランク(平均順位)である。
パラメトリック検定の有効性の条件
1) 測定値が独立である
2) すべての標本が正規分布に従う(仮定または検証済み)
3) 標本が等しい分散を持つ
4) 残差が正規分布に従う(仮定または検証済み)
5) 標本ごとに最低 20 個の個体(推奨)
6) 全実験で最低 20 個の個体(推奨)
7) すべての変数が正規分布に従う
8) 標本内に最低 20 個の個体(推奨)
9) テーブル・セルのすべてで理論度数が < 5 でないこと
10) 系列間の差が正規分布に従うこと
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